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住職さんよりの再建事業に関する(アドバイス)
寺院の建築に於いて本堂の再建というものは特別な意味があります。

 第一義的に信仰の根本となる本堂とは仏像、宗祖像の御前に於いて経典、題目を唱え行学への精進が信心を養い深める道場である。ということは本堂とは寺の核である。

[信は荘厳より興る] 信心とは荘厳なる本堂から生まれ育つ。
綺麗な境内、本堂は人の心を仏道に入らしめるプロローグとなり本堂で行われる法要等は、故人に対するだけでなく生きとし生けるものにたいしても同等な祈りの道場でなければならない。

 その核となるべき本堂を再建するということはまず現本堂建立に携わった全ての方々に対して感謝の念となぜ建替えなければならないかを信念をもって奉告することが肝心でありひいては仏天のご加護を授かることとなる。
 本堂の再建は一朝一夕で叶うものではないので十分な時間が必要であり天が味方をしてくれるまで待つ根気が重要であり、また住職自ら声にだして再建の抱負を
語ることで周囲に再建の必要性を知らしめることとなり、また自分にプレッシャーをかけることで夢を目標に変えることとなる。

 成功の鍵は強い信仰心を持って自らの命とひき換えにする気概が最重要。

 これよりは私の体験した建築に関わる具体的な注意点を箇条書きにいたしました。

1、人には必ず相性、ご縁というものがある。違和感がある場合は注意。

2、必ず設計士を依頼して設計と施工の会社は別にする。
3、設計士を依頼する場合は事務所の知名度だけで選ばず設計士の人柄、誠実さを考慮する。

4、設計士の過去の実績、経験は当然ながら設計を  依頼する事務所の繁忙も考慮する。
あまり忙しいと設計、監理が遅延する可能性大。
また担当の設計士ではなく部下の社員が設計、監理に当たり図面のとおりに施工されないミスの可能性アリ

5、予算は明確に伝える。本体工事の2割程度は設計 解体、外構、仏具、式典費等に必要。

6、120%の[希望]要求を出す。それでも適うのは80〜100% それでよし。

7、入札施工会社の実績と建築を自分の目で必ず確認して3社以上で見積をとる。工事金額にもよるが多いほうが良い。ここでも相性、ご縁アリ

8、契約に際しては細かいところも確認する。ガラスの 厚さや種類、建具の金具等、できるだけ追加工事をださない為、設計図面や契約書の部材の金額も把握し頭に入れたのち確認の席に着く。

9、地鎮祭や上棟式は六曜等を考慮して日取りを決定し儀式に基づき慎重に行う。

10、契約し施工が開始されてからは施工している職人には直接注文を出さない。工事に疑問点がある場合は必ず現場監督か設計士を通じて早期に問題を解決する。工事は日々進行している。

11、施工に疑問や不安があれば設計士、および現場監督に直ちに相談する。

12、職人のお茶出しは負担に感じる程は行わない。習慣になると後が大変
補足
以前、社寺建築では、屈指の建設会社に、頼んだものですが、満足良く建築は、必ずしも出来なかったことから、今度は、ご住職さん檀家さんの皆さん、納得できる建築にしたいとの強い思いが、感じられました。
先代のご住職が、なくなられた時から、檀家の皆様に、御本堂再建の話をされたと聞きました。
以前の経験から、会社の名前にとらわれることなく入札参加業者の、建築された本堂を直接見に行かれました。
施工能力、木材の品質、金額、仕事にばらつきがないか、自分の目で確認されていました。
会社の大小、知名度に、拘らず、技術的に優れているか、良い材料を、使用しているか、確認したうえで入札に臨み、金額はもとより会社の、お寺さんの工事に対する姿勢を、大事に建設会社を、決定されました。
時間を惜しまず、北は青森、西は愛知まで、足を運んで、不明な点は自分が納得されるまで聞かれておられました。
ご住職様の、行動力、真面目さには、頭が下がります。そのかいあって建物の隅々まで目のいきとどいた、素晴らしい御本堂が、完成されました。
落慶式は、檀家の皆さんが、地域に誇れる本堂になり、喜んでおられました。
これも、ご住職様が、時間をかけ御見識を広く持たれて、檀家の皆様の為に、後世に残る本堂を、限られた予算の中で、残したいとの強い意志で、進められた事が、大きいと思われます。
今回の工事に参加できたこと、心から感謝したいと思います。
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