ごあいさつ |
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平成6年、角嶋社寺設計室を開設し、社寺建築専門の設計監理に携わって、30年余りになります。
近年およそ、10年前あたりから、建物の、調査依頼が、増えてきました。震災の影響での事もありますが、築30年から、60年の建物が、まだ、半世紀もたっていないのに、解体の憂き目に、直面している物件が多いのです。
これは、社寺建築は、長年の優れた伝統工法技術によって、普通に考えれば200年300年が当たり前なはずが、一般建築の、住宅、ビルの考え方と同じで、建築が進んでいることにあると思います。
新工法、新建材の、実験研究は、日進月歩進んでいますが、今の、建築基準法の基準に沿って行くと、耐用年数は、数十年単位です。数百年単位で、考える社寺建築とでは根本的に、違ってきます。それぞれの考え方は、違うと思いますが、一度、今の建物の、耐用年数を、調べて頂くと分かると思います。
経済的に、厳しい時代ではありますので、費用を、抑えることは、必要だと思いますが、それであれば、余計に、後の時代に、負の遺産だけは、残さないように、しなくてはならないと思います。
私どもは、代々受け継いだ、社寺建築の、伝統的技術の伝承と、より良い設計監理に、心掛け、感謝の気持ちを忘れる事のないように、努力しております。
皆様に、ご検討頂ければ、幸いに思います。
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開設者、角嶋克夫のプロフィール |
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私は、築90年弱の古い茅葺の民家で、育ちました。
住まいと、馬屋が一緒の建坪90坪ほどの建物で、南部赤松の幾重にも組まれた、黒々とした大梁、欅の柱、差鴨居の大きな木材が印象的でした。その影響もあって木造建築に興味を持ちました。
昼は製本会社で働き、夜は建築の夜学に通い、卒業後、担当の先生から、同校の卒業生で、神社仏閣のされている、竹澤要先生を、ご紹介頂きました。
竹澤先生は、明治神宮の造営では、宮大工として、その後、明治神宮の設計をされた、角南隆先生の事務所で、設計を学ばれ、竹澤古典設計事務所を、開設されていました。
入社して、9年頃までは、早朝から深夜まで、日曜、祭日なく仕事だった、記憶があります。
「おまえたちは、大工と違い実際に木を切ったり、削ったりする事出来ないのだから、余計に現場を、見たり本を読んだりして、努力しないといけない」と、よく言われました。
初めて見た社殿、本堂の図面は、線の強弱、曲線の美しさ、彫刻のデザインは、素晴らしく圧倒され見入ってしまった、記憶があります。
今仕事させて頂いているのも、代々、諸先生方が、伝統技術を、継承させて頂いたお陰だと、思っております。恩に報いる様仕事を、していきたいと、思っております。 |
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